展示会構成

2章 子ども 夢をかなえたい―子どもたちの今と未来

世界の子どもの現状
ちきゅうのうた

この大地で、たくさんの子どもたちが夢をみている 音楽、絵、サッカー、野球、実業家、宇宙… けれど、涙を流している子どももたくさんいる あらゆる問題のしわ寄せが子どもにいく ある時は親が貧しくて またある時は 子どもの純真さを利用されて ある子は戦争が起きて、両親を殺され 村から逃げようとしたら兵士に誘拐された 彼女は12歳で、名前も知らない兵士の子どもを産んだ 小さい赤ん坊を背おって、銃を持たされ 兵士として戦場に行かされた ある子は「お金を稼ぐまで戻ってくるな」と親に言われて 道路の片隅で暮らしていた 持ち物は毛布1枚 ゴミをひろってお金にかえた 学校には行けなかった 学校を知らなかった ある子は親が病気で働けず、生活のために小学校に入る前から じゅうたんをつくる工場で働いていた 工場長は「おなかがすいているほうがねむらずによく働ける」と 食事を一日1回しかくれなかった 悲惨な現実に圧倒され 自分に何が起きているかもわからなくて ただただつらくて涙が出てしまう 子どもたちは、わずかな楽しみで気を紛らして、一日を乗り切る 道端に咲く黄色い花を、ほこりと泥がこびりついた髪の毛に飾る ゴミの山の中から絵本をみつけて、読める文字を探している ダンボールをまるめて作った塊を サッカーボールのように蹴って遊ぶ この子たちには「今」がない。 未来の夢も描けない 今日も疲れて子どもたちが、小さい体を丸めて眠る その子たちが微笑む夢をみるように ちきゅうが静かに回転した

いじめ
未来はかならずある

クラスのみんなに無視されています みんなが自分を笑っているようで、こわい 自分にも何か原因があるのかもしれない・・・ 学校は地獄 半年、学校に行かなかった 人間以下の仕打ちにあい、味方がいない 苦しくて、苦しくて、いつ死のうかとおもいました だけどがんばったよ 自分をうけいれてくれる人がいたから・・・ うれしかったから 信じてくれる人のために それと自分のために負けない 絶対に

虐待
あったかいなみだ

朗読:本名陽子
再生

わたしの涙はいつも氷のようにつめたかった お父さんに殴られて、蹴られて、体をちいさく固くまるめていた 「役立たず」といつも呼ばれた 買い物に行くふりをして、道端で静かに泣いた 泣けば泣くほど、こころが冷えていくように感じた いつしか、うれしさも悲しさもなるべく出さないようにした 「そうだんじょ」という人と何度も話をしたある日、その人は言った 「あなたは、悪くないよ 殴ったり、蹴ったりされてもいい人間なんてどこにもいないんです」 その言葉は会うたびにくりかえされた その人は今日もまたわたしに言った 「あなたは悪くないです。 あなたが本当にそう思うまで、 100回でも言うつもりです」 涙が溢れて、止められなかった その涙はあたたかかった 温かい涙もあるのか・・・と思った 心の中も春のひだまりのようにあたたかだった 「生きてもいいんだ」 そう感じた瞬間だった

子どもの意見表明

子どもたちの大きな願いと情熱は世界を動かしはじめている 国連子ども特別総会で集った世界の代表の子ども、400人は誓い合う 「わたしたちは、世界がすべての人々にとってよりよい場所になるための 闘いに、心を一つに団結していきます」 アフリカ代表のイボンヌは13歳 彼女はケニアのストリートチルドレンの教育支援に取り組んでいる 「子どもが認めてもらえる世界になるといいと思います」 カナダに住むクレイグは 「児童労働のひどさをうったえていた少年殺される!」 という新聞記事の見出しに釘付けになった 次の日彼は学校に行って同級生に呼びかけた 「苦しんでいる子どもたちを助けるには ぼくたち子どもが立ち上がるべきだと思う」 彼と友達は、子どもたちだけで運営するNGOを立ち上げ やがて45以上の国に支部が発足した クレイグは語る 「行動しようという声が僕を前へ前へと駆り立てる」 「その変化は、僕たち1人1人の中から始まる」 “自分の中に変化の力がある” 子どもたちは、そう感じている

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